20~30年ほど前までは、水虫は治りづらい病気で、一度感染したらほぼ一生治らない病気とされていましたが、現在は完治を目指すことができるほどにまで進歩しています。
しかし、その一方で再発率50%と言われるほど、再発する可能性が高いのもまた事実です。
医師、または患者自身が「治った」と判断したケースを集めて集計した結果、のちに2人に1人は再発しているという結果が出ています。

そもそも、水虫とは一体どんな病気なのでしょうか。
水虫は「白癬菌(はくせんきん)」というカビ菌(真菌)に感染することにより発症します。
白癬菌は特別な存在ではなく、どこにでもいるありふれた菌です。
また、日本人の5人に1人は水虫を抱えている白癬菌感染者です。

じゅうたんやカーペット、フローリングの床や畳、またトイレや病院の共用スリッパや靴、大勢の人が裸足で利用する銭湯やスパ、プール・スポーツジム・フィットネスジムのバスマット・マット類には、ほぼ100%白癬菌が常駐していると思って良いでしょう(こういった公共・共用物で菌の受け渡しをしてしまうことをキャッチボール感染と呼びます)。

白癬菌が皮膚に付着して、足の皮膚表面の角質層に侵入しようとします。
侵入には24時間前後かかるといわれています。
白癬菌に皮膚表面の角質層への侵入が成功すると、次の段階として角質層のケラチンという成分をエサにして、侵食したあと定住・増殖します。
これが原因で、足の皮膚がボロボロ剥がれたり、かゆみを生じたりします。

なお、白癬菌は温度15度以上・湿度70%以上になると急激に増殖します。
温度・湿度が上がった「高温多湿」の環境下において、活発に活動します。
長時間はいている蒸れた革靴や、ブーツの中は細菌が繁殖する上では最高の環境を提供しているようなものです。
白癬菌に感染しただけではかゆみなどの症状が出ない場合も多いですが、症状が進行するとまもなく「かゆみ・水ぶくれ・皮むけ」などの症状が出てきます。

水虫は何故再発しやすい?

さて、水虫が再発する原因を見ていきましょう。
主な理由としては、適切でない治療、治療の早期終了、キャッチボール感染の3種類が考えられます。
まず、感染対象である足の裏や爪は薬が効きにくい部位であることが挙げられます。
処方箋だけでなく、市販の水虫薬にも足白癬(水虫)治療には、十分すぎる濃度の抗真菌剤が含まれています。
しかし、足の爪や足の裏は全体中を支えるために頑丈に作られており、その硬さ・厚さが仇となり、治療に十分な量の薬が浸透していないことが考えられます。

こういった効きにくい部位であるにも関わらず、市販の外用薬に頼り切ってなかなか効果が現れない・治りづらい状況を自ら作り出していることも原因のひとつです。
角化型足白癬や爪白癬といった症状の場合は特に、病院で診察してもらい、飲み薬を処方して貰う必要があります。
適切でない治療を施していると、見た目では完治したように思えても、すぐに再発してしまいます。

次に、病院に通院していても、痒みがなくなったり見た目がきれいになると、治ったと勝手に自己判断して治療の早期終了をするのも再発の原因となります。
白癬菌はしぶとく、しかも角層内に常駐しているだけの段階では症状は特に現れません。
表面上が治ったからと言って、治療の早期終了をすると、菌が再度増殖し症状が現れます。
これも水虫が治りづらい一因となっています。
湿度や温度が下がる冬場では症状が和らぐので、そこで油断するケースも非常に多いです。

そして、キャッチボール感染も大きな再発の一因となっています。
白癬菌は人体を介して、さまざまな箇所にばらまかれます。
先述のフローリング床やスリッパ、バスルームやプールなどに常住する白癬菌は、全て白癬菌に感染した他人(家族も含みます)が裸足でばらまいたものです。
せっかく完治したとしてもばらまかれた白癬菌を足が拾うと再発します。